大腸小腸絶不調

生活は下手クソですが、得意気に生きるのは得意です。

『100回』

 

佑真は指をぱちんと鳴らした。

隣を歩いていたスーツ姿の男が歩みを止めずに振り向いたが、何もなかったかのように視線を前方に戻し、淀みなく駅に向かっていく。指を鳴らしたことに反応したのはその男だけで、後ろを歩く女子高生達は寒さへの文句を連ねるのに忙しく、OLらしき女性は耳にワイヤレスイヤホンを着けていて気付いてすらいない。横断歩道の手前で止まっているタクシーの運転手はハンドルに肘を置き、早く渡れよと言わんばかりの仏頂面で通行人を眺めている。

佑真はタクシーの運転手の方を見るのをやめ、右手をコートのポケットにしまった。ポケットの中のカイロを弄びながら、もう100回は超えてるかもしれないな、と頭の中で独り言を言い、マフラーの中で誰にも見えないように、小さく苦笑いした。

 

 

「佑真、実は俺ハシカンと付き合ってんだ」

「何回目だよ、それ言うの」

自分の弁当をつつきながら適当な返事をしてやると、翔は食べ物が口に残った状態で、もごもごとしながらも「7回」と答えた。口の中が綺麗になってから続ける。

「佑真に言ったのは今ので7回目。うちの兄貴とか、ゴールデンウィークに会った中学の友達にも言ったのを合わせて11回目だ」

佑真は少し驚いた。他でもこんな話してるのか、と、どうして回数なんて覚えてるんだの2通りの返しを思いついたが、理由の方が気になって後者のボールを投げてやることにした。

「どうして回数なんて覚えてるんだ?」

翔は箸をこちらに向けて勢いよく言い放つ。

「知ってるか佑真。嘘って100回言えばホントになるんだってよ。今佑真に言ったので11回だから、あと89回この呪文を唱え終えた頃には、俺もハシカンと付き合ってるってワケよ」

あまりにも自信に満ちた風でバカなことを言い出すので、佑真は飯を吹き出しそうになった。無理に止めようとしたせいで米粒が気管に入って盛大にむせた。涙目になりながらどう返すのが正解か考えていたが、翔が馬鹿じゃないことを佑真は知っていた。佑真の咳が落ち着くまで、翔は腕組みして笑顔でこちらを見ていた。キャッチボールでグローブを構える子供みたいだと思った。

「楽しみにしてるよ。成就したら紹介してくれよ」

翔はより一層笑顔になった。

「任せろ」

 

それからは古文の教師の活舌が悪くて話を聞き取るのが大変だとか、行きの電車で体臭のキツいおっさんが隣にいて最悪だったとか、他愛のない話をしながら昼食を終えて、翔は部活の仲間とグラウンドに向かった。

 

 

一人になって携帯をいじっていると、ふとさっきの話を思い出し、ブラウザを立ち上げて[嘘 100回]で検索をかけてみた。

どうやら大本はナチス時代のプロパガンダの天才と呼ばれた男の言葉らしく、大きな嘘を頻繁に繰り返すうちに、人々は最後にはその嘘を信じるだろうという政治的思想のお話だという。

「そりゃハシカンとは付き合えないよな」と呟き、佑真は携帯を鞄にしまって窓の外を眺めた。そんな魔法みたいなことが起きないのは翔もわかっているだろう。ただ、退屈に真っ向から向き合おうとする翔の姿勢を、佑真は少しだけ尊敬したし、その相手が自分であることを、少しだけ誇らしく思った。

 

 

6月の中頃、5日間続けて雨が降った金曜日のことだった。制服の裾が濡れるのにもいい加減うんざりしながらいつもと同じ電車に乗ると、大きなキャリーを引きずったおばさんが強引に乗り込んできた。

キャリーが足にぶつかるわ、濡れた傘を当てられて制服が濡れるわ、悪天候続きでうんざりしていたのもあって、佑真は急速にストレスが溜まっていくのを感じていた。何故わざわざ混む時間にこんな荷物で、しかも混雑している車両に乗り込んでくるんだとか、せめて人に荷物が当たらないように気配り出来ないのかとか、ぐるぐると考えていくうちに、気遣いの出来ない人間なんか死んでしまえばいいのに、とまで思ってしまった。

脳みその冷静な部分が、良くない考えだぞと警告を出していたが、膨らみ続ける苛立ちの下に埋もれてしまった。何か手は無いかと考えていた冷静な部分は何故か、箸を片手に得意気に話す翔の顔を、突然思い出させた。昼休み、弁当を食べながら話す翔の様子を頭の中で再生する。

嘘も100回言えばホントになる、か。佑真は他人事のようにリプレイを見ていたが、一人歩きしていた意識が急に足を止めて、こちらを振り向いて、言った。「嘘も100回言えばホントになる」なら、100回までは起こり得ないことを言っても大丈夫じゃないか?

佑真は面白いことを思いついた表情になり、小学校の国語で習った、信号機を変える魔法の話を思い出していた。「えいっ」と言って指を鳴らすと信号機が赤から青に変わる魔法。当時は本当に魔法だと思っていたが、今なら自分も同じ魔法が使えるだろう。

ポケットの中で右手を指パッチンの形にして、隣で時計を確認しているおばさんを横目で捕らえた。体内で練り上げたエネルギーをぶつけるように<消えろ>と念じた。同時に指を鳴らそうとしたが、ポケットの中で少しかすれた音が鳴っただけだった。

数秒のあいだ様子を見ていたが、おばさんはスマートフォンの液晶を鏡代わりにして髪を整えている。もちろん何も起こりはしない。

そんな魔法みたいなこと、起こるはずがない。

学校の最寄り駅で電車を降り、ポケットから右手を出してもう一度指を鳴らしてみた。弾いた指がぱちんっと思いのほか大きな音を出して、佑真はどぎまぎした。学校まで歩きながら指を鳴らさずに感触だけ確かめていたが、苛立ちがすっかり消えていることも、少し楽しくなっている自分がいることも、この時には気付けていなかった。

 

この魔法のことを翔に話してみようかと思ったのは、もうじき梅雨も明けようかという頃だった。

「そういえば、いつハシカン紹介してくれるの?」

昼休み、雨のせいで暇を持て余している翔に聞いてみると、一瞬きょとんとした顔をした後、翔は笑いながら「バーカ」と肩を小突いてきた。

「カンナちゃん、仕事で忙しくて全然会ってくれないんだよね」

「せっかく100回も呪文唱えたのになぁ」

「ホントだよ。ウチのインコも「ハシカン!」って言えるようになったのに」

くだらない話をして笑いあっているうちに昼休みが終わり、お互いに別の授業へと向かった。翔が実際に100回も唱えていないことを佑真はわかっていたし、翔もそのつもりで話していただろう。

翔の魔法と自分の魔法を比べてしまい、佑真はますます嫌気が差した。排気ガスのような重たい溜め息が口から出てきて足元に溜まる。佑真は魔法のことをそっくりまとめて、自分だけの領域にしまっておくことに決めた。

 

夕食を済ませて自分の部屋に戻り、数学のテスト範囲を復習している間に、今朝遭遇したタクシーのことなどすっかり忘れていた。キリの良いところで時計を確認すると22時を回っていた。休憩にしようと昨日買った漫画雑誌を読み始めたところで、ノックの音が鳴った。

「進んでる?」

振り返ると、母が麦茶をのせたお盆を片手にドアを開けて入ってきた。まだノックの返事をしていないと文句を言おうとしたが、母に先手を打たれた。

「またサボってるのね」

「やってるよ。ちょうど休憩してたとこ」

「どうせ漫画読んでる時間の方が長いんじゃないの」

カチンと来て何か反論しようとしたが、確かに身に覚えもあり上手く言葉が出なかった。振り上げた拳が頼りなくてむしゃくしゃした。

「わかったよ。やるよ」

漫画雑誌を床に放って、むしゃくしゃしたまま机に向き直る。佑真の態度に母もトサカに来たらしく、「大体ね」と小言を吐き始める。

しばらく無視に徹していたが、母の小言はなかなか収まらなかった。いい加減腹立たしく思った佑真は、母の言葉が途切れるタイミングを見計らって、机に向かったまま右手の指をぱちんと弾いた。

いつもよりも軽快な音が鳴り、自分の指先に誇らしげな視線をやった直後、背中の後ろで何かが派手に落ちる音がした。

驚いて椅子から飛び上がるように立ち上がり、そのまま振り返ると、お盆とグラス、中に入っていた麦茶と氷が、床にぶちまけられていた。

それなりに高いところから落ちたのか、勢いを持て余してお盆がぐわんぐわんと跳ねている。自由になったグラスが転がっていき、本棚にぶつかって止まる。床に撒かれた麦茶が佑真の足元の方まで迫ってくる。床に放った漫画雑誌が、麦茶をみるみる吸っていく。

小言を言い続ける母親を煩わしいと思ったこと、右手の指を鳴らしたこと、指を鳴らした時に念じたこと、人が持っていた高さから落ちたであろうお盆やグラス、それを持ってきた母親が、いなくなっていること。

目の前で起きていることの全てを、佑真の頭は正しく理解していた。しかし、それらの情報をそのまま受け入れられる器は、佑真の中には用意がなかった。

数瞬経ち、足の裏に伝わる冷たさで現実に引き戻された。麦茶が靴下に染みている。傷口に貼った絆創膏が赤く滲んでいくように、佑真の心にも現実が行き渡り始める。

硬直していた心が、本能に近い部分からかろうじて動き始める。震える肺から絞りだした空気が、意図せず「元に戻せ」という音になって出てきた。腕を持ち上げることが出来ずにそのまま指を鳴らしたが、ひどくスカスカな音が鳴った。もちろん何も起こりはしない。起こるはずがない。

 

そんな魔法みたいなことは、起こるはずがないんだ。

 

「大丈夫か?」

階下から父の声がする。佑真は母がいた場所から視線を逸らすことさえ出来ない。

「おーい、大丈夫なのかよ」

返事がないことを訝しんだ父が、声を上げながら階段を上がってくる。どすどすと乱暴な足音が聞こえてくる。

佑真はその場から一歩も動けなかった。足元から伝わってくる冷たさで心臓まで凍りついたみたいに、その場で固まっていた。

だんだん冷えていく頭と心で、自分自身に<消えてしまえ>と念じ右手を構えたが、指は鳴らせなかった。もう佑真に魔法は使えなかった。

新年のご挨拶

どうもこんばんは。いっぽです。

あけましておめでとうございます。

 

 

〜〜〜

 

新年の抱負なんですけど、今年はブログの更新をちゃんとしよう!が使えなくなってしまったので、何か新しいものをと思って考えていた結果、無事に決定致しました。

 

私いっぽ、2020年の抱負ですが

「大盛り無料を断る」

でいきたいと思います。

 

いやあのね、ふざけてんのかと思うかもしれないけどね、本気なんですよこっちは。

大盛り無料を断るっていうのがどういうことかわかります?財布も精神も貧乏な人間がね、大盛り無料を断るっていうのはものすごく勇気が要ることなんですよ。

それをね、強い精神力でもって断ろうって話をしてんですよ。筋トレの次は減量ですよ。腹引っ込めるんだよコラ。やるぞ。やるったらやるんだよ。

 

なおこのエントリーは実家で日本酒飲みながら書いてるので信憑性ゼロでございます。ご理解とご協力の程、宜しくお願いいたします。

 

 

〜〜〜

 

まぁね、こんな感じで今年も好き勝手に生きていきたいと思います。

2020年、今年もどうぞ宜しくお願い致します。減量するぞ。

2019年総まとめ

どうもこんばんは。いっぽです。

適当に過ごしてる間に1年が終わろうとしていますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

 

 

毎年この時期になると「今年(来年)こそはちゃんと更新しよう」みたいな事を言ってるんですが、2019年は割と更新出来た気がします。

内容はともかく、来年も続けていけるといいなぁと思います。今年はリアルにガチでいろんなことがあったので、とりあえず生きてれば丸儲けくらいの感覚で、余剰分で何か新しいことにチャレンジするくらいの感覚で生きましょう。死ななきゃオッケー。

 

 

 

では。良いお年を。

 

 

 

かげうち読み交代読み剣舞読みシャドクロ

なおかげうちが飛んでくる模様。

 

どうもこんばんは。いっぽです。
ポケモン対戦、ヤバイです。

 

~~~

 

実はポケモンの対戦に真面目に取り組み始めたのって今作が初めてでして。

 

今までめちゃくちゃ腰が重かったんですよ。ウルトラサンムーンとか普通に買って遊びましたけど、準伝だの過去作の教え技だの、やってらんないんすよ。ポケモン廃人様的には不満でしょうけど、敷居が下がって大変ありがたい思いをしている人の方が多い気がする。

 

で、だよ。肝心のポケモン対戦なんだけど、これがマジでヤバイ。こんなにやべーもんだとは思わなかった。
素早さ関係とか、火力とか耐久とかは全然わからん状態から始めたのに、やってくうちに肌感でわかっていくのがもうめちゃくちゃ楽しい。少しわかりだしてからちゃんと数値調べて調整して、それが思惑通りに刺さったときの脳汁の出かたが半端じゃない。もうやめられんと思う。こんな面白いもんだとは思わなかった。

 

回してるうちに自分のPTの欠陥がわかったり、どういうポケモンを呼びやすいかがわかってきたり、この対面はこちらが○○から入れば後続で処理できる~~みたいな、数値化できない経験値がめちゃくちゃ手に入る。今が一番面白い時期だと思ってやってます。H252振ったヨノワールは珠ミミッキュ剣舞かげうちを1発耐えます。今日のヨノワール情報です。

 

当初の目標通り、ユキメノコシャンデラはパーティに必ず入れてるんですが、なかなかいい働きをしてくれてます。強くないポケモンでもコンセプトを明確にして役割を持たせてあげれば仕事が出来るってのも凄いよね。ギャラドスが止まらなくて泣いてんだけどさ。助けてくれ増田。ユキメノコフリーズドライをくれ。オニゴーリが持ってるんだからいいじゃねえか。なぁ。

 

試行錯誤しながらやってますが、50戦以上やって勝率は5割くらい。まだスーパーボール級にいます。まだまだ自分のプレイングで負けてる試合もあるので、そういう勝ちを拾えるようになってくれば自然と上に行けるかなと思ってます。それがまた面白いんだよね。「あそこで○○してれば勝てたじゃーん!」って後からわかるのがずるい。つい対戦を続けるを押しちゃう。運要素ももちろんあるけど、ちゃんと上手い人が勝つように出来てる。腹立つわあ。

 

 

マスボ級になったらとりあえずのPT紹介したい。とりあえず今シーズン中にはいけるように頑張りたいと思います。

 

 

 

では。

いつもの景色が変わる瞬間

どうもこんばんは。いっぽです。
仕事が手につきません。

 


~~~

 

f:id:onestep0122:20191212232151j:plain

エルマ、だから僕は音楽を辞めた

 

ヨルシカというアーティストがいまして。

今年、2019年に「だから僕は音楽を辞めた」「エルマ」っていう2枚のフルアルバムが立て続けにリリースされました。


YouTubeで初めてヒッチコックのPVを見て聞いた瞬間から「なんだこいつ!?やべーことやってんな!?」と思っていたんですが、諸般の事情でCD買ったりする余裕がなかったんですよ。
今までAmazonPrimeで聴けるミニアルバム2枚は聴いてたけど、上記のフルアルバム2枚は手を出してない状況(ノーチラスのPV見て顎が外れたりはしていた)だったので、いつかCD買ったら、コーヒーでも淹れて歌詞カード片手にじっくり聴こうと思っていたんですよ。

 

つい先日、生活も落ち着いてようやくその機会が訪れて、2枚通して聴いた結果、心がワァワァになりまして、ライブやってるなら行くしかない、いや行かなきゃダメだ、音源でさえこれだけの熱量を持ってる音楽を、ヘッドホンで聴くに留めるのは、直に体験しないのはもはや冒涜だろうと、途轍もない衝動に駆られてライブの日程を調べたら、ツアーの追加公演がなんと今日(12/11)で、一般販売なんてとうに終了していて、

 

 

現在に至ります。
仕事が手につきません。もう夜しか眠れません。助けてくれ。

 


~~~

 


「この2枚のアルバムは対になっていて、<だから僕は音楽を辞めた>を書いた少年エイミーの旅路を辿っていくのが<エルマ>でエイミーの残した詩を頼りに~~」みたいな話はもう優秀な考察記事とかがたんまりあるから勝手に探して読んでくれ。

もともと俺は考察とか苦手だし、まずは音楽を聴いてくれよと思う。楽しみ方の一つとして考察っていうスタイルは否定しないけど、それによって起きる価値観の固定・強要みたいなのが起きるくらいなら、最初から触れないほうがいい。そもそも、そういう話がしたかったらこの記事のタイトルは「人生の価値は、本当に"終わり方"だろうか」みたいな感じにしてる。なので、その辺の話はしませんよ、という前置き。

 

最近はYouTubeやストリーミングで音楽を聴くことが増えて、アルバムを通して聴く機会って減ってるのかなと思います。わざわざCD買って取り込んで転送して~なんてやるの面倒だしね。当然だと思う。

 

アルバムを1枚通して聴くってのは、映画を見るとか小説を読むとかに近い体験だと自分は思っていて。通しで聴き終わった後のあの感じ、本で言うところの読後感っていうんですか、あの喪失とも開放ともいえない感じがとても好きなんですよ。

 

こういった作品が自分の価値観に与えてくれる影響ってものすごく大きくて、毎日見てるはずの変わらない景色が、急に色づいて、意味をもったものになることがある。
以前渋谷の方に勤めていたとき、帰りに読んでいた本が丁度面白いところで(たしか宮部みゆきの「模倣犯」のラストだったと思う)途中で足を止めて、喫煙所で一服しながら最後まで一気に読んだ覚えがあります。

 

そのときはもう、凄くて。渋谷ってホントに人が多くて散らかってて雑多な街なんですけど、1冊読み終えた帰りに見た景色は、人も夜空も街頭でさえも全部意味を持って頭の中に入ってきて。具体的には説明が出来ないんだけど、いつもと変わらないはずの景色が、確かに変わった瞬間だったんですよ。

 

「だから僕は音楽を辞めた」「エルマ」を初めて聴いてから数日経ちますが、通勤中はほぼこの2枚を聴いていて。

今朝、職場の最寄駅で電車を降りて、駅を出たところで見た曇り空と、ホームに滑り込む電車と、仕事に向かう自分の革靴の先っちょを見て「あ、いつもと違う」となりました。

 

だからといって急に仕事を辞めてバンド始める、とかじゃないんですけど。心なしか革靴は軽くなった気がしました。以上、今日の日記になります。

 

 

 

~~~

 

本当に、ものすごいエネルギーを持ってるアルバムなのでみんな聴いてみてほしい。

以下追伸です。

 

 

 

<追伸1>

 

  

 

マジ!?!??!?!?!?!?!?!??!?!?!?!?!!??!?!?!?!?
待ってます!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

<追伸2>

 

改めて藍二乗のPVを見ていて「あれ?」と思いまして。
気に入って使っている万年筆と、少し前に買ったインクを引っ張り出してみたところ、

 

 

f:id:onestep0122:20191212232154j:plain

「はなろくしょう」と読みます



 

俺はエイミーだった………………?

 

(月夜はほんとにいい色が出ます。オススメです。)

 

 

 

 

 

お終い。

砂漠(伊坂幸太郎)を読みました

どうもこんばんは。いっぽです。

 

実は結構前に読み終えていたんですが、上手く文章に起こせる気がしなくてほっておいたのですが、このままだと一生脳みその中で塩漬けになりそうなので起こしておきます。

ほとんどいないと思うけど、できれば高校生~大学生くらいのうちに読んでほしい。自分は大学生のうちにこの本に出合えなかったことを後悔してる。高卒だけど。

 

 

~~~

 

 

主な話としては、とある男女5人の大学生活の話になります。

ミステリーとかによくある1つの事件を軸に人間が動いていくって形のお話ではなくて、5人が大学生活を送るうえでいろんな出来事に出会ってなんやかんやするお話です。伊坂幸太郎らしい構成ではあるけど。

 

特筆しておきたいのは登場人物の良さ。多分この記事、登場人物の魅力だけ紹介したら終わると思う。もう自分の勝手な妄想入りでめちゃくちゃに書くんで、真偽が気になったら伊坂幸太郎の砂漠を買って読んでくれ。

 

 

主人公の北村、この話は全て北村目線で進むんだけど、この北村って奴がまぁ陰キャ。要するに俺ら。

大学の新歓とか出ても、居酒屋の入り口から一番遠い席で壁に背中ついて「みんな必死だな、馬鹿らしいな」みたいな顔して一人で飲んでる奴。身に覚えありませんか?俺は本屋で、冒頭のこのシーン読んだだけでこの本を購入しました。何故か、何故か知らんけど、心臓のあたりがきゅっとなったので。

 

その北村を見つけて「みんな必死だな、馬鹿らしいな、みたいな顔してんね」って声かけてくるのが鳥井。いい奴。

北村が陰キャだってのを見抜いた上で「まぁまぁ、せっかく来たんだし、楽しくやろうよ」なんて言って他の席に北村を連れて行ってくれるめちゃくちゃイイ奴。多分この鳥井って奴は根っこは陰キャで、北村よりだいぶ精神が大人。

だってね、本当の陰キャだったら新歓なんて来ないわけよ。つまらなそうな顔してるとはいえ、新歓の席に顔出してるってことは「付き合いが大事ってのはわかるけど、自分はそっち側には染まらない」みたいな"""陰・プライド"""が邪魔をしていて、めちゃくちゃ中途半端な状態なわけ。

それを見抜いたうえで「まぁまぁ、わかるけどさ」って声をかける鳥井は、もともと陰キャだったかイジメの経験がある、間違いない。いや妄想だけどね。

学生時代に救われなかった陰キャ達は、鳥井のような奴に救われなかった運命を呪いながら読むといい。

 

その鳥井に連れられて座った席で一緒になったのが、南という女の子。メインの5人の中で唯一の良心。癒し枠。

他の4人が「面白そうじゃん!やろうぜ!」ってなる中で一人「危ないよぉ、やめようよぉ」みたいなポジションにいる貴重なストッパー的な役です。そう言いながら結局ついてきちゃうんだけど。ストッパーとは。

そんな彼女、「不思議な力」が使えるんですが、天気の子みたいにセカイの存続を一人で背負ったりはしないので、安心してご覧ください。

 

そんな飲み会に遅れて登場し、全く空気を読まずにマイクで自己紹介を始め、挙句に「世界平和、戦争反対、アメリカを許すな」みたいなことを宣う男が、私が一番大好きな西嶋でございます。この男、遅れた理由と戦争やアメリカにキレてる理由が「雀荘でボロカスに負けたから」なんですよ。最高じゃん。俺がその場にいたら間違っても関わりたくない。

この西嶋って奴、めちゃくちゃ不器用なクセにめちゃくちゃ真っ直ぐ。一言で言うと愚直。この飲み会以降、自然と関わるようになってしまうんですが、話が進めば進むほどこの男が好きになる。鳥井とは全く違う意味でイイ奴。

コイツ良い意味でアホなんですよほんとに。「空気が読めない」と「空気を読まない」の違いわかります?西嶋は「空気を読まない」タイプのアホで、絶対的な自分の価値観でもって、やるべきと思ったことは絶対やるんですよ。「理屈なんか知ったこっちゃないですよ」みたいなこと言ってね。周りの人間も「いやわかるけどさ」と言いつつ、そんな西嶋が嫌いになれない。

西嶋も「空気が読めない」わけではないし、周りもそれをわかってる。お互いにわかってて上手いことやってるっていうバランス感がめちゃくちゃ好きで、読み進めるにつれて俺は西嶋が大好きになりました。多分、西嶋のキャラが刺さらない人にはそもそもこの本は向いていない気が、しないでもない。知らんけど。

 

最後の5人目、このしっちゃかめっちゃかな飲み会で、見た目に釣られたオス達に囲まれて氷みたいな無表情で塩対応してるのが、とびきり美人の東堂さんです。

感情が全く表に出ないバチクソ美人な東堂さん、北島の思いつきで後々絡むことになるんですが、まぁ話さんでおこう。見た目がよくてオスが寄ってくるのに全くなびかない時点で、そういう人間だぞということだけ言っておきます。東堂もめちゃくちゃ好きな人物です。

 

 

~~~

 

 

この5人の大学生活の話が「砂漠」であって、それ以上でも以下でもないです。特に大きいオチも何もないです。

出来れば学生時代のうちに手に取ってほしい本のうちの1冊だし、既に「大人」になってしまった人にも、読んで「あぁ~~~」ってなってほしい。自分は「あぁ~~~」となりましたので。

 

ただ、高校とかと違って大学は今からでも入る可能性ありますからね。この小説を読んで大学生活に憧れを抱いて、仕事の傍らで勉強して大学に入って、そこで出会った仲間となんでもない日常を過ごしたり、ときに真面目に将来について議論したりして、今までとは全く違う人生を、昔切り捨てたはずのルートを、今から歩み始める。

 

 

 

なんてことは、まるでない。

キョダイ寝不足マックス

どうもこんばんは。いっぽです。
いつも「いっぽのゲーム日記」をお読みいただきありがとうございます。


~~~

 

ポケモン買っちまったんですよ。

 

今回そんなにやる気なかったんです、ほんとに。いつも買っても好きなポケモン厳選するまではやるけど対戦がっつりやるってほどでもないし、今回は流石にいっかな~と思ってたのに、ユキメノコシャンデラいるの確認したら買っちゃった。好きなんですよ見た目が良いポケモン

 

結果、睡眠時間がぼろぼろに破壊されまして、電車での通勤中にもレイド回してるくらいやっとる。これはもう性分なんですが、ゲームやるってなると、やりたいことはフル回転でやらないと気が済まない状態になってしまって健康を損ないます。だから買いたくなかったってのも少なからずある。睡眠時間を生贄に夢ヒトモシの理想個体を特殊召喚すな。寝ろ。

 

つっても、やっぱ発売直後の「みんながよーいドンで同じゲームやってる」祭り、ものすごい楽しいんですよ。流行ってるってだけでコンテンツに対して敬遠かますような逆張りオタクもいるけど、同じ阿呆ならなんとやらって言うしね。ツイッターが普及してくれたおかげで踊る阿呆同士で騒げるし、これも楽しみ方の一つだと自分は思って踊ってます。すこぶる寝不足だけど。

 

ゲームの中身の方はいろいろと簡単になってて楽でいっすね。金策ロケット団のアイツでいいし、レイドはイヌヌワン(剣のすがた)とデジモンのOPでいいし、バトルタワーは借り物でいいし。すごい親切になってるけど、レイドのマルチの仕様だけは許せん。経験値の仕様もレイドって仕様もそこまでソシャゲに寄せるなら、フレンドのポケモンをサポートに呼べるくらいの機能は実装しとけ。ソシャゲやったことないんかお前ら。まぁソロで回せないことはないからいいけども。

 

あとは言うことない。大体いつものポケモン。マリィちゃんに九州弁を喋らせた奴はアメージングジーニアス。ルリナさんに日焼け止め塗る仕事がしたい。以上だ。

 

 

真に問題なのは、何故かポケモンと一緒にデスストランディングを買ってしまったことなんですよ。
時間が足りません。影分身を習得してらっしゃるシノビの方、お話を伺いたいので連絡お待ちしております。

 

それでは。次回「ユキメノコシャンデラが使いたいだけのゴースト統一PT」の記事でお会いしましょう。知らんけど。